神父と牧師 司祭の違いは?結婚式に呼ぶのは誰が正解?!

神父と牧師の違い
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神父と牧師の違い
最近は結婚式のスタイルも多様化してきました。とはいうものの、今でも一番人気があるのはキリスト教式の結婚式です。

リクルートマーケティングが2014年に発表した結婚トレンド調査によると、キリスト教式で挙式したカップルが55%と依然として高い数値を出しています。

ところで皆さんは、キリスト教式結婚式にいらっしゃる聖職者が、神父か牧師か知っていますか?

というのも、日本人のなかでキリスト教徒は1%程度と言われており、多くの国民がキリスト教の何たるやを知らないのではと思われます。

結婚式は自分の人生の大きな節目となる大切なセレモニーです。正しい知識と意味を知って臨むと、感動もひとしおですよ!

目次

神父と牧師の違いは何?

良き時も、悪しき時も、富めるときも、貧しきときも、病める時も、健やかなる時も…。」というくだりが印象的なキリスト教式結婚式。

この誓いの言葉を問いかけ、新郎新婦を導いてくださる、あの方。神父なのでしょうか?牧師なのでしょうか?そもそも神父と牧師の違いとは何なのでしょう?

神父・牧師の教派の違い

神父とはカトリックと東方正教会の聖職者であり、牧師はプロテスタントの教職者です。「抗議」という言葉が語源のプロテスタントは、ローマ・カトリック教会から分離し制度等を否定することで発生した教派です。

したがって神父と牧師は意味も立場も大きく違います

神父の教義上の位置づけと理解

カトリックには位階制度という縦の序列があります。そのうち上位の位階として「司教-司祭(神父)-助祭」があります。司教は使徒(イエス=キリストに選ばれた最初の12人の弟子)の継承者という位置づけです。
そして司祭(神父)とは、司教を補佐する立場です。司祭(神父)は司教に代わり地域の教会を司牧し、一般信者により近い場所で奉仕をします。

※司祭と神父は同じことですが、詳しくは次章でご説明します。

正教会の一部やカトリックにおける神父は結婚を禁止されており、また女性の叙階もありません。

牧師の教義上の位置づけと理解

牧師とは「羊飼い」のことです。イエス=キリストが自らを「牧者」を呼び、信者と近い立場で導いたことから、プロテスタントでは聖職者という概念を持たず、教職者(教役者)として一般信者と同じ立場に立っています。

プロテスタントには「万人祭司」という考えが根付いており、聖性により牧師個人と一般信徒を区別しません。牧師とは一般信者を牧するリーダーなのです。

戒律においても神父とは異なります。牧師は結婚を許されており、家庭を持つことができます。また、教派によっては女性の牧師も認められています。そもそも牧師は聖職者ではないので、ルールにおいても一般信者とあまり変わらないのです。

まとめると、神父と牧師は、教派以外に以下のような違いがあるのです。

・神父は聖職者として高い位置から信者を統括し、聖性を裏付けるためのストイックさが求められている。
・牧師は教会の仕事をするが、あくまで教職者であり、一般信者とは変わらない立ち位置

神父と司祭の違いは?

カトリックや正教会において、位階制度があることは前述したおとりです。トップに教皇(ローマ法王)が立ち、枢機卿、大司教と続きます。この後に上位位階の司教-司祭-助祭と続くわけですが、この司祭こそが神父なのです。

司教は自らの司教区において、信者の身近で奉仕する聖職者を任命します。これが司祭であり神父です。司祭(神父)は教会において司教の任ずる範囲内で司教を補佐します。

やや語弊がありますが、位階制度は会社組織にも似ていますよね。教皇が社長で、地域の営業本部長が司教、そして司教の方針に則り各支店で社員を導くのが司祭(神父)です。いや、一般企業と聖性は全く違うのですが…。

なぜふたつの呼び方があるの?

簡単に言えば、司祭とは正式な職名で、神父とは司祭に対して敬意を表して呼ぶ名、尊称です。

教会組織内では「司祭」と呼ばれるかもしれませんが、信者は「司祭様」とは呼びませんよね?「神父様」と呼びます。
地域社会で奉仕する司祭は、時折信者から尊敬を込めて「父」と呼ばれます。神父という呼び名はそこから発生したものと思われます。

・司祭:役職名
・神父:司祭をあらわす尊称

ですから、皆さんが教会で司祭と言葉を交わすことがあれば、「神父様」とお呼びして大丈夫です。

神父と牧師、結婚式に呼ぶのはどちら?

では、実際の結婚式にはどちらをお呼びすれば良いのでしょうか?
また、一体どちらが呼ばれているのでしょうか?

ホテルや結婚式場で挙式する場合は、プランナーが手配してくれるケースがほとんどです。

もちろん挙式する教会の教派によるでしょう。つまり、カトリック教会であれば神父にプロテスタント教会であれば牧師に依頼し、結婚式を導いてもらいましょう。

日本では多くがプロテスタント教会の牧師

カトリックは戒律のある宗派なので、信者以外が簡単に挙式することはできません。私の友人はカトリック教会で挙式しましたが、信者ではない旦那さんが1年間教会に通い、やっと挙式の許可が下りたと教えてくれました。

日本人のカトリック信者は40万人強と言われています。つまり日本では、多くのキリスト教式結婚式において、受け入れ門戸の広いプロテスタント教会の牧師に依頼されているということです。

ホテルや結婚式場で挙式する場合の注意点

式場にもよりますが、教会ではないホテルや結婚式場で挙式をする場合、アルバイトの牧師が来ることがあります。つまり正式な牧師ではなく、言葉は悪いですが「偽物」ということです。

キリスト教式結婚式の件数に対して、外国人牧師の人数が不足している状態で、アルバイトの牧師(の衣装を着た外国人)に依頼することは暗黙の了解となっているようです。

特に日曜日は教会で礼拝がありますので、本物の牧師が式場まで足を運ぶことは困難でしょう。
結婚式はある意味イベントのようなものと思い定め、特に牧師の真偽を気にしない方もいるでしょう。
しかし、夫婦のこれからの歩みを導き、ともに祈ってくださる方です。気になるようであれば、挙式を申し込む際に確認したほうが良いでしょう。

まとめ

人前式のような新しいスタイルが台頭し、日本古来の神前式結婚式も人気を回復している中、依然として高い人気を誇るキリスト教式結婚式。

キリスト教式は異文化ゆえに、妙に神聖な感じがするのも確かです。
しかし、人生の大切な節目となるわけですから、雰囲気に流されるのではなく、そこで導いてくださる方について詳しく知っておいたほうが良いでしょう。

自分の結婚式で神父様に送られた言葉を、いつになっても思い出すことができる・・・、それこそ思い出深い結婚式だったと後に振り返ることができるのではないかと思います。

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