人間ドックの内容は?会社の健康診断との違いや気になる相場費用、保険・医療費控除について

人間ドックの内容は?
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人間ドックの内容は?
2016年に小林麻央さんが乳がんで闘病中であることを公表されるとともに、ブログで現在の写真や今に至るまでのこと少しずつ公開されました。
まだ若い彼女の発病に、同年代の女性はもちろん、多くの方が当時、大きな衝撃を受けました。

体に潜む病に年齢は関係ありません。特に近親者で生活習慣病やがんの病歴がある場合、20代から人間ドックの受診を考えるべきでしょう。
今回は、人間ドックの具体的な内容や、気になる費用などのお金の問題を解説するとともに、より自分に合った、質の良い人間ドックを受けるための選び方をお伝えしていきます。

目次

人間ドックの内容は?会社の健康診断との違いは?

人間ドックでは、具体的にどのような検査を受けるのでしょうか?一般的に定期的に行われている、会社や市町村で受ける健康診断とは何が違うのでしょうか?まずは、その違いを詳しく見ていきましょう!

人間ドックの目的って何?検査項目には何があるの?

人間ドックは、その人が健やかな毎日を送れるよう、体に潜む疾患や生活習慣病などを早期に発見し、治療へ促していくことを目的としています。

特にがんや生活習慣病を意識し、さまざまな角度から小さな兆しも逃さないよう、医療機器を駆使して検査していきます。もちろんその他の疾患も見逃さないよう、総合的にチェックします。

また、いわゆる「予備軍」と呼ばれる、今後何らかの疾患を抱えそうな状態があれば、生活指導といったような予防医学の側面からも健康維持にアプローチしていきます。

人間ドックで行われる検査項目は各医療機関で設定されています。日本人間ドック学会では、毎年基本となる検査項目を発表しており(※1)、これを基に各医療機関が検査のコースを提案しています。

多くの場合、半日または1日で終わる簡易コースと、1泊してじっくり検査する基本コース(1泊2日コース)が揃えられており、決められたコースにそれぞれの生活環境や生活習慣、年齢などを考慮したオプション検査を追加していく形をとっています。

(※1)日本人間ドック学会が定める一日ドックの基本検査項目はこちらを参照にして下さい。
【基本的なコースの例】
1、身体測定
2、採血
3、尿検査
4、便検査
5、胸部X線、胸部CT
6、胃(X線または胃カメラ)
7、腹部超音波(腹部CT)
8、生理学的検査(心電図・血圧・視力・聴力など)

ここに、女性であればマンモグラフィーや胸部超音波、子宮頸部細胞診や経膣超音波検査などを追加します。

また、大腸がんの発生件数が近年増加傾向にあるため、最近では腸カメラを追加するケースが多くなっています。

親族をガンで亡くしたり、原因不明の不調が見られる方は、がん発見に特化したオプション(PET※2や腫瘍マーカーなど)の追加を提案されることがあります。

その他、特定部位に特化した「脳ドック」や「心臓ドック」なども追加できることがあります。

(※2)PETとは、検査薬を投与することで、全身の細胞のうちがん細胞だけに目印をつけ、専用の装置で撮影することでがん細胞を発見する検査方法です。
従来のX線やCT、MRIは、写し出された造形からがんを見つけますが、PET検査は細胞の性質を調べてがんを探し出します。PET検査では、従来の方法よりも小さいがんを発見することができます。
ただし費用がかかるため、「親や兄弟にがんの病歴がある」「最近急に痩せてきたが原因が分からない」といった事情がある場合に、勧められるようです。

人間ドックと会社の健康診断は何が違うの?

人間ドックと会社で受ける健康診断の違いは、簡単に言うと「検査項目の数」です。人間ドックの基本的な検査項目が53項目程度であることに対し、健康診断の検査項目は31項目程度と言われています。

つまり、検査の幅や緻密さにおいては、人間ドックの方が勝っているということになります。

体のなかに潜む疾患を見落とさないためには、多角的に検査をする必要があり、その点では人間ドックの方が勝っています。
例えば、がんを発見するという点において言えば、健康診断では心もとないでしょう。人間ドックにおける医師の問診やCTやMRIといった画像でのチェック、腫瘍マーカーのような血液からのアプローチと、さまざまな角度から調べることにより、信用性の高い結果を得ることができるのです。
実際、定期的に通っているのであれば人間ドックで発見されるがんの8割は早期のものであるとも言われています。

人間ドックの相場はどれくらい?気になる費用と保険、医療費控除について

職場の健康診断とは違い、自己負担が多くかかる人間ドック。この費用負担がネックとなり、人間ドックを嫌厭する人も多いのではないでしょうか?実際に、どれくらいの費用がかかるのか、少しでも安く抑える方法はあるのかどうか見ていきましょう。

人間ドックの相場はどれくらい?

前述した通り、人間ドックの検査項目は各医療機関で設定しているため、費用も医療機関により異なります。人間ドックは自由診療であるため、同じ検査でも病院ごとに費用に差が出ることもあります。
その点を考慮したうえで、一般的な人間ドックの費用をご紹介しましょう。

・日帰りドック(1日ドック・半日ドック):35,000~50,000円程度
・1泊2日コース:50,000~70,000円程度
・脳ドック:30,000~50,000円程度
・心臓ドック:30,000~50,000円程度
・PET検査:80,000~150,000円程度

なお、基本の日帰りドックや1泊2日コースにオプションを付けた場合、最終的に10万円以上になることもあります。

婦人科系や胃・腸カメラ、腫瘍マーカー、CTなどはオプションであることも多いので、基本コースだけでは済まないと考えておいた方が良いでしょう。なお、筆者が受けたときは、1泊2日コースでトータル8万円程度でした。

医療機関で提示している料金が、上記の金額よりも高いからといって、一概に割高であるとは言えません。料金が高い分、コースに豊富な検査項目を用意していれば、高いのは当然です。

逆に、最小限の検査項目で安いコースを提案し、オプションに高額の料金を設定している医療機関もあります。
医療機関ごとの料金を比較する際は、コースの料金だけを見るのではなく、自分が受けたい検査をトータルした料金を見積もってもらい、比較するようにしましょう

なお、医療機関によっては、20~30代に特化した、ライトコースを設けているところもあります。特に健康上の心配がない状態で受けるのであれば、費用負担が少ないコースを継続的に受けるのも良いでしょう。

保険や医療費控除は使えるの?

人間ドックは「自由診療」なので、基本的には全額自己負担です。しかし、各保険の制度を利用して、以下のような補助を受けることができます

・国民健康保険
国民健康保険に加入していて、滞納していなければ、年に1回だけ人間ドックの補助金を役所に申請できます。ただし、助成内容は市町村により異なり、年齢制限を設けている所もあるので、あらかじめ居住している市町村の担当課に確認しておくと良いでしょう。
・社会保険
勤め先で加入している社会保険で助成を受けることもできます。基本的に年1回の申請で、加入している健康保険組合により助成内容は異なります。
年齢により助成内容を区別したり、配偶者の利用に制限を設けている所もあるので、事前に確認しておきましょう。
なお、多くの場合、健康保険組合が指定した医療機関のなかから受診しなければならず、自分で受診先を選ぶことができません
・生命保険
加入している生命保険によっては、人間ドックの割引サービスが受けられるものもあります。保険内容をチェックしてみましょう。
・医療費控除
人間ドックは治療行為ではないので、かかる費用は基本的に医療費控除の対象とはなりません
ただし、受診の結果重大な疾患が発見され、引き続きその疾患の治療を行った場合には、人間ドックを治療に先立って行われる診察と同様に位置づけ、その費用を医療費控除の対象に含むことができます。(国税庁所得税基本通達73-4より)

助成内容を確認してから人間ドックの内容を決めよう!

上述したように、各保険の制度を利用した補助金の内容は、居住しているエリアや加入している健康保険組合によって異なります
もし、助成内容が「基本コースは全額補助/オプションは自己負担」であった場合、基礎ドックが充実している医療機関を選び、オプションはなるべく追加しない方法がお得ですよね^^。

人間ドックを受けようと思い立ったら、まずは受けられる助成内容から確認するようにしましょう。

ちなみに筆者の場合、夫の勤め先の健康保険組合から補助を受けました。内容が、「基本コースの補助金上限50,000円/オプション検査の補助金上限20,000円」だったため、5万円未満の料金設定が多い日帰りドックではなく、5万円以上かかるものの検査内容が充実している1泊2日のドックを選び、オプションを少なく抑えることでトータルの自己負担を減らしました。
(※筆者の場合は、健康保険組合から受診先のリストを渡され、その範囲内で選択することができました)

人間ドックのおすすめの選び方

いざ人間ドックを受けようと考えても、どの病院で何を調べてもらえばよいのかよく分からないこともありますよね。ここでは、人間ドックの検査項目と受診先の選び方をお話しします。

基礎的ながん検査と生活習慣病、婦人科系の検査はマスト!

20~30代で初めて人間ドックを受ける場合、特段健康上の心配は無いものの、40代以降に発覚する病気の芽を早めに摘んでおきたいと考えている方も多いでしょう。そんな女性には、基礎ドックにがん検査(特に消化器系)と婦人科系検査を追加することをおすすめします。

20~30代女性におすすめの人間ドックメニュー

・基礎ドック:糖尿病、高血圧、高脂血、肝機能など、生活習慣病をチェックしましょう
胃カメラ・腸カメラ:最近は消化器系のがん発生件数が増加しています。定期的にチェックしましょう
腹部超音波検査:肝臓、腎臓の障害や疾患、胆石などが分かります
婦人科系検査(※3):乳がんや子宮がんのような女性固有のがん発生リスクは、30代から急に上昇します。早期発見のためにも、定期的な受診をおすすめします。
(※3)婦人科系検査とは、子宮頸部細胞診、乳腺X線撮影(マンモグラフィー検査)、経膣・乳房超音波検査などです

健康上心配なことがあれば、その部分に強い病院を選びましょう

なお、健康上何らかの心配があるのであれば、その点を詳しく見てもらっても良いでしょう。
例えば月経不順やおりものの異常があり、婦人科系を詳しく調べたいという希望があれば、レディスクリニックで人間ドックを受診する方法もあります。

病院の設備もチェックすべきポイントです。胸部や頭部のスクリーニング検査を受けたいのに、受診先にCTやMRIの設備が無く、受診先のさらに提携先まで検査を受けに行かなくてはいけないことがあります。時間的なロスを省くためにも、受診先で一通りの検査が受けられる病院を選びましょう

また、胃カメラや腸カメラが苦手な人(恐怖心がある人)は、鎮静剤により痛みを緩和させたり、極細経内視鏡で負担の少ない検査が受けられる病院を選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

日本人間ドック学会より「機能評価施設」として認定された医療機関を探す

日本人間ドック学会では、人間ドックを評価する5つのポイントを示しています。

1、必要な検査が行われている
2、検査は安全で正確である
3、医師から検診結果の説明がある
4、必要に応じて保険指導(生活のアドバイス)がある
5、「受けて終わり」ではなく、受けた後のフォローがある

しかし、これらの評価を個人が行うことは、なかなか困難ですよね^^;。

そこで、日本人間ドック学会では104項目からなる審査基準から人間ドック実施医療機関を評価し、「機能評価認定施設」として公表しています。質の高い人間ドックを求めて、学会の評価制度を利用するのも一つの手かと思います。

まとめ

一昔前は「40代になったら人間ドックを」と言われていましたが、最近はがんなどの重大な疾病の若年化が進んでおり、20~30代で思いもよらない病気を抱えることがあります。

また、年齢が若いほど、がんに罹ったときの進行は早いものです。早期発見、早期治療を目指し、40代未満であっても3年~5年に1回は人間ドックを受けるようにしたいものですね!
今回の記事がお役に立ちましたら幸いです♪

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