最近は芸能人が病気で倒れるニュースが多いと思いませんか?
報道などを見るたびに
[char no=1 char=”疑問”]自分も人間ドックに行って一度、徹底的に体を調べてもらった方がいいんじゃないのかな?[/char]
と、ふと感じることは多いのではないでしょうか。
とはいえ、まだエネルギーの有り余る20~30代のうちは、周囲に人間ドック経験者もあまりいなかったり、また「痛い」「恥ずかしい」「面倒くさい」といったイメージが先行してしまって、なかなか実際に病院まで足を運ぶに至らないという場合も多いのが実情です。
実は筆者は、30代の早い時期から定期的に人間ドックを受けています。
そこで、今回は筆者が人間ドックを受けようと決めたきっかけや、実際に受診した感想など、人間ドックの実体験をお話ししていきます。
筆者の経験を通じて、人間ドックのマイナスイメージが払拭され、多くの方が受診を決めてくださることを祈っております^^。
人間ドックを受けようと思ったきっかけは?ライフステージの変化が原動力に
2000年に妊娠中の女優・向井亜紀さんに子宮頸がんが見つかり、妊娠継続を諦め、子宮全摘出手術を受けたニュースにより、以前にも増して、女性の子宮がん、乳がんなどに対する早期発見、早期治療の必要性が見直されてきました。
最近では、2015年に21歳の若さで肺がんにより亡くなったアイドル・丸山夏鈴さんのニュースや、現在乳がん闘病中の小林麻央さんのニュースなどを目の当たりにし、若い世代における病気への不安は広がるばかりです。
しかしながら、テレビ画面の向こうで起こるニュースにいまいち実感を持てず、「自分に限っては大丈夫」と決め込んでいる方も多いでしょう。筆者もかつてはそうでした。
では、筆者はどんなきっかけで体調管理、ひいては人間ドックの必要性を痛感したのでしょうか。
自分の健康管理を意識したのは、同僚のがん闘病に衝撃を受けて
自分の世界とは違う、遠いところの出来事だと思っていた、若い芸能人の闘病のニュースを、初めて自分にも起こりうることであると認識したのは、同世代の同僚にがんが見つかったときでした。
自分と同じように元気に働いていた同僚が、急激に痩せていき、慢性的な頭痛に悩まされるようになり、ある時受診した先で「脳腫瘍」と診断されました。
すぐさま休職し、治療と療養に専念しましたが、若いだけにがんの進行が早く、それから1年も経たないうちに帰らぬ人となりました。
医療技術が進歩し、脳腫瘍の5年後生存率は75%を超えたと言われています。しかしそれには、早期発見・治療が必要不可欠です。
「まさか自分ががんのわけない」という心のスキが、彼女の受診を遅らせてしまったことを考えると、テレビの向こうで起きている病気との闘いは現実世界のものであり、自分にも病魔が襲う可能性があると認識せざるをえなかったのです。
子どもが生まれ、親としての健康管理に責任を感じるように
そして程なくして筆者は第一子(長男)を出産しました。初めて親になった瞬間、「この子のために自立するまで健康でいなければならない!」そう強く思ったのです。
ここで長男を出産して半年後、30代初頭で、初めての人間ドックを受診します。授乳中のため乳房の検査はできないものの、必要最低限のチェックができる1日ドックを受診しました。
そして翌年、元気だった実父が突然のがん宣告を受けた後、1ヶ月で急死してしまいます。66歳でした。
今まで親はずっと健康で長生きするものだと思っていただけに、私にとって余りにも衝撃が強く、「思いもよらないタイミングで病魔に蝕まれることがある」「自分にもがんに罹りやすい遺伝的要素があるかもしれない」という現実に打ちのめされました。
父の死をきっかけに、消化器系、呼吸器系のCTや婦人科系検査全般、腫瘍マーカーといった、がんを意識したオプション検査を組み合わせ、1~2年に1回受診するようになったのです。
実際に受けてみてどうだった?痛みは?恥ずかしいの?待ち時間は?
人間ドックで行われるいくつかの検査には、「痛みがある」「医師や看護師にあられもない姿を見られて恥ずかしい」といったイメージが定着しているものもあります。
しかし医療技術は日々進歩しています。今や、痛みを緩和する処置を行い、恥ずかしくない形で検査を行う病院も増えてきているのです。
筆者の場合はどうだったのでしょうか。今まで3つの病院で人間ドックを受けて来た経験から、お話ししていきます。
「痛い」と言われている胃カメラやマンモグラフィーにも痛みを感じず
「痛い」と言われている検査の代表格と言えば、「胃カメラ」と「マンモグラフィー」でしょう。しかし、筆者はこれらの痛みを感じたことは、ほとんどありません。
これらの痛みは、病院選びや検査を受けるタイミングなどに気を付ければ、緩和することができるのです。
胃カメラは安定剤を使用する方法で痛みを回避
筆者が人間ドックの受診先を選ぶ際にまず確認することは、「胃カメラの苦痛緩和処置を行っているか」という点です。筆者も痛いものは大嫌いですから、回避できる痛みは避けたいのです。
今や胃カメラの苦痛緩和は一般的になりつつあります。つまり、苦痛に対する対策を施していない病院は、患者の痛みに寄り添っていないと判断し、初めから選択肢に入れなかったのです。
胃カメラの苦痛を緩和する方法としては、一般的に以下の2つがあります。
・鼻に麻酔をし、鼻から細い内視鏡を入れる方法
筆者は両方の方法を経験しました。どちらも痛みはかなり緩和されていますが、個人的には安定剤を使って口から挿入する方が楽だったと思います。
経鼻内視鏡は、麻酔をするものの、鼻がツーンとする感覚は強く残ります。安定剤を使用して口からカメラを挿入する場合、喉に違和感こそあるものの、痛みと言うほどではなく、リラックスした状態で検査を受けることができました。
安定剤を使用した胃カメラの流れは以下の通りでした。
2、少しボーっとしてきたところで、看護師に介助されながら検査台へ。
3、胃カメラ挿入。検査時間10分程度。
4、看護師の介助を受け安静室へ。麻酔の効果が抜けるまで横になって休みます。
時間にしてトータル1時間程度でした。
ちなみに、バリウム検査は受けたことがありません。胃カメラは胃や食道の表面の画像から、バリウム検査は写し出される胃の形状から病気を発見するそうです。アプローチの方法は異なりますが、医師の説明によると総合的な精度は胃カメラの方が優れていると言います。
このことから、筆者は毎回胃カメラを選択しています。
マンモグラフィーは生理周期でタイミングを図って
筆者は生理周期から、乳腺の張っている時期は避けて受診しています。この裏ワザは、以前検査をしていただいた乳房専門医に教えてもらいました。
初めてマンモグラフィーを受けたときは、タイミングを無視していたため、強い痛みを感じたのですが、胸が張っていない時期を選ぶことで、かなり痛みを緩和することができました。
ただし、マンモグラフィーの痛みは個人差がかなりあるため、どうしても痛みを感じる場合は、他の検査方法を検討しても良いかもしれませんね。
乳房の一般的な検査方法
専用の撮影機器を使い乳房の撮影をします。乳房を板で圧迫し、薄く伸ばしてから撮影するため、痛みを感じるわけです。
乳房をギュッと挟んだ状態で左右2枚ずつ撮影します。筆者の場合、検査時間は15分程度でした。
・乳房超音波
ベッドに横になり、超音波で乳腺の様子を確認する方法です。マンモグラフィーのように全体の状態を把握することはできませんが、乳腺と乳がんのしこりの判別がしやすいメリットがあります。
マンモグラフィーと病気発見へのアプローチが異なるため、筆者の場合はマンモグラフィーと超音波を毎年交互に受けています。
・乳房MRI
こちらは筆者には経験がありませんが、乳房の露出もなければ圧迫痛もないため、年々希望する人が増えているそうです。
30分ほど時間がかかることや、費用が高いこと(筆者のかかっている病院では20,000円)などデメリットはあるものの、3つの検査方法のなかで最も精度が高く、信頼性の高い検査方法だそうです。
「恥ずかしさ」が先立つ大腸検査はカメラ不要のものを選択。婦人科系は女医を探して!
そして、別の理由で避けられがちなのが「大腸検査」「婦人科系検査」です。
大腸検査と言えば、強力な下剤を飲んで腸を空にしたのち、肛門からカメラを入れて検査するものと思われがちですよね。
女性からしてみると、いくら自分の健康のためとはいえ、恥ずかしさに耐えられないかもしれません><。
そんな方には、私が毎年受けている「大腸コロノCT(3D-CT)」という検査がおすすめです。カメラを使わず、苦痛も少なく、恥ずかしさも少ない検査ですよ。
実は、女性のがんで最も多いのは、乳がんではなく大腸がんであると言われています。大腸検査はぜひ受けておきたい検査のひとつなのです。
内視鏡カメラを使わない「大腸コロノCT(3D-CT)」ってどんな検査?
新しい大腸がんのスクリーニング検査で、短時間で胃カメラ検査と同一日に実施できるため、時間的負担の少ない検査方法です。
2、前日と当日、約400mlの下剤を服用する。
(大腸内視鏡検査のように、2L以上の水分や下剤を服用する必要はありません。)
3、看護師の処置により腸に空気を入れる。
4、CT撮影を行い、大腸に異常があるかどうかを解析する。
検査精度が高く、痛みが少ないのが特徴です。筆者の場合、15分程度で終わってしまいました。
子宮頸がん、子宮体がんなどの検査が恥ずかしい場合は、女医がいる病院を選んで
子宮頸がんや子宮体がんの検査は、女性が毎年受診したほうが良い検査項目のひとつですよね。
しかし、妊娠経験がなく、初めて検診を受ける方は、女性器を見られることに恥ずかしさを覚えるかもしれません。
筆者の場合、特に意識していたわけではありませんが、今まで人間ドックの検査を受けた3ヵ所の病院全てで、婦人科医師が女性でした。
女性医師であれば、確かに恥ずかしい気持ちは半減します。どうしても恥ずかしいと感じる方は、女性婦人科医のいる病院を探してみましょう。
なお、婦人科検査で行う一般的な内容は以下の通りです。
子宮頸部の組織を少量取り、顕微鏡で観察することで、子宮頸がんの有無を探ります。
子宮頸がんは20~30代でも発症しやすいがんであるため、若いうちから定期的な検査が推奨されています。
筆者はこの検査を何度も受けていますが、一度も痛みを感じたことがありません。
・経膣超音波検査
超音波送受信機を膣内に入れて行き、下腹部の中で超音波を発信させ跳ね返ってくるエコーを受信機がとらえて、写し出された画像から子宮筋腫や子宮がん、卵巣がんなどの有無を探ります。
超音波送受信機を膣内に挿入する際、恐怖心を覚える方もいるそうですが、きちんとジェルをつけてくれるので、痛みはほとんどありません。
待ち時間は気にならない程度。システマティックで無駄のない検査フローでした
もうひとつ、人間ドックが嫌厭される理由に、「待ち時間が長くて面倒くさい」と感じることがあるようです。実際はどうなのでしょうか。
確かに待ち時間が全く発生しないということは、いずれの回でもありませんでした。
ただ、私が直近で受けた病院(総合病院でした)は、患者のフローをバーコードで一元管理しており、より空いている科から振り分けていました。
非常に効率的に検査を受けられたと思います。
全ての検査にかかる所要時間は病院によって異なりますが、筆者が直近に受けた人間ドックの場合、【基礎ドック+胃カメラ+大腸コロノCT+マンモグラフィー+婦人科検査+胸部CT+脳ドック】という充実メニューで、翌日の昼頃には終わりました。
今回は体中を広く検査したかったので、専門医や機材が充実している総合病院を選択しました。その点も、効率的に受診できた理由かと思います。
結果の説明は検査日に受けられるの?
多くの人間ドック実施病院では、検査当日に大まかな結果の説明を受けることができます。CTやMRIの結果も、この時点で出ていることがほとんどです。
検査を受けた日に「再検査の必要あり」と言われたこと2回!最近のCTは小さな影も見逃しません!
最近の超音波、CTやMRIの精度は飛躍的に向上しており、検査を受けたその日に問題が発見されることも珍しくありません。
筆者も初めての人間ドックの超音波検査で乳房に、直近の人間ドックのCTで肺に影が見つかり、どちらもすぐさま再検査の予約を入れたことを覚えています。
特に肺のCTでは、非常に小さな影とともに、肺炎の痕、結核の痕など、さまざまな病気の痕跡が見つかりました。
幸いなことにいずれも問題のないものでしたが、問題部分の説明をその場で簡単に聞くことができるので、再検査まで悶々と過ごすこともありません。
疑問なことは、その場で解消することもできます。このように、結果をface to faceで聞けることも、人間ドックの利点かと思います。
もちろん腫瘍マーカーなどの血液検査の結果も含めた総合的な検査結果は、後日書面で送付されてきます。
さいごに
人間ドックの経験談をお話しして参りました。意外に痛くないし、恥ずかしくもありません。病院に行ってしまえば面倒なものでもないことがお分かりいただけたでしょうか。
ライフステージの変化は、いろいろな形で訪れるものです。伴侶を得たり、一家の稼ぎ頭になったり、仕事で重要なポジションを任されたり、そして子どもの親になったりと、多くの場合「責任」が伴います。
そしてその責任には「健康を維持する努力」も含まれているわけです。若いからといって安心しないで、自分の健康管理も仕事のうちと考え、積極的に人間ドックを受けてくださいね^^。
今日の記事があなたのお役に立てましたら幸いです♪
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