七夕は、日本中で祝われる五節句の一つです。
ところで、七夕は英語で何というのでしょうか?
そして日本の七夕行事を外国の友だちに紹介したい場合には、どのように伝えると分かりやすく説明できるのでしょう。
今回の記事では、英語で七夕をどのように説明したらよいかを実際の英語の例文を交えてご説明します。
[br num=”1″] 意外に知らない?!七夕に関する関連記事はこちら↓
七夕を英語で紹介するには?
七夕という習慣は英語圏には存在しません。
従って、七夕を英語で表現する場合は、”Tanabata“と日本語のまま言うか、”The Star Festival“と表現し、簡単にどのような行事であるかを付け加えると良いでしょう。
七夕を英語でシンプルに説明するにはどう言えばいい?
早速、英語で例文を見ていきましょう。
七夕とは、1年に1度、7月7日にだけお互い合うことができる、「牽牛(けんぎゅう)」と呼ばれるアルタイル星と、「織姫」と呼ばれるベガ星の夫婦のためのお祭りです
七夕の夜、日本の人々は短冊に願い事を書き、笹の枝にぶら下げます。
非常に簡単でシンプルな文章となりますが、七夕についての説明を添え、相手が興味を持っているようであれば、後述する「七夕のストーリー」や、「七夕の由来」なども話してみると良いでしょう。
上記の説明文はとても短いものの、七夕の説明においてキーとなる単語がいくつか登場しています。
おさらいしてみましょう。
the star Alter/the star Vega
わし座の一等星アルタイルが牽牛(彦星)であると考えられています。
一方、織姫はこと座の一等星ベガにあたります。
それぞれの星の名前を伝えることで、外国人でも位置関係が想像しやすくなります。
余談ですが、アルタイルとベガの間には16光年の距離があります。つまり、光の速さで会いに行っても、16年かかるということです。
いかに天上の人と言えど、一晩で会うことは困難であり、七夕の夜に空を見上げても、残念ながら二つの星が接近することはありません。
strips of paper
短冊のことです。colorful strips of paper(色とりどりの短冊)と伝えても良いでしょう。
七夕の趣あふれる情景がより鮮やかに伝わるかもしれませんね^^。
bamboo branches
竹と笹は厳密に言えば違うものですが、アジア圏の植物であるため、英語ではひとくくりにbambooと呼びます。
外国人は七夕を全く知らないの?
実は七夕は中国発祥の節句です。
しかし、日本に現在伝わっている七夕の習慣は、奈良時代に中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」という伝説に、日本由来の伝説が掛け合わさったものであり、中国や近隣諸国で祝われているものとは少々異なります。
中国や韓国、台湾などでも七夕の文化はありますが、日本独自のものを紹介し、それぞれの習慣を比較してみると興味深いですよね^^。
なお、七夕の習慣がない欧米でも、七夕は意外に知られています。
ニュース番組で紹介したり、日本人コミュニティーが積極的に宣伝イベントを行ったりして、笹の葉に短冊がそよぐ光景を目にしたことがある人も多いようです。
日本の七夕はなんとなく知っているけど、詳しくは分からない…。
そんな外国の方たちに満足してもらうためには、より踏み込んだ説明をしたほうが良いでしょう。
次からの章では、七夕の物語や七夕の由来について、英語でどのように説明したらよいかご紹介していきますね!
七夕を英語のストーリーで説明してみよう!
七夕のストーリーについては、"International Business Times"の記者、Charles Poladian氏が、とても分かりやすい英語で説明しています。
以下、Poladian氏の書く七夕の物語を抜粋しました。
"Two people meet and fall madly in love. Spending all their time together, the two lovers forget their responsibilities and are soon punished with a separation."
二人の男女が出会い、激しい恋に落ちました。自分たちの仕事そっちのけでいつも一緒に過ごしていたら、罰せられ、離れ離れにさせられてしまいました。
"The punishment forgetting their responsibilities is severe. They are separated by an astronomical river--the Milky Way-- and can meet only once a year."
二人の怠慢に対する罰は厳しいものでした。なんと二人は天の川によって離されてしまうのです。そして1年に1度しか会うことができなくなりました。
"The story of the two lovers plays out celestially, with the two represented by a pair of stars, Vega for Orihime and Altair for Hikoboshi."
二人の恋人の物語は、織姫をベガ、彦星をアルタイルとし、一対の星になぞらえて、最後まで美しく語られます。
"Tanabata celebrates the journey taken by the young woman and her lover, Orihime and Hikoboshi, as they struggle to reunite."
そして七夕とは、二人の若い恋人がやっと再会できる日。二人の再会のための旅路を祝う日なのです。
なお、Poladian氏は、文化人類学者のKatherine Rupp氏の著書から引用し、以下のようにストーリーを補足しています。
"As the story goes, Orihime was a weaver maiden, or a princess in some versions, and Hikoboshi was a shepherd. The two lovers forgot about everything and were punished by the god of heaven for neglecting their chores. The god of heaven became angry, put a big river between them and decreed that they could once a year, but on all other days they had to work as hard as possible."
伝えられているところによれば、織姫は織女(機織りをする乙女)か、別の解釈では姫であると言われています。彦星は牧羊者(実際は牛ですが…)でした。二人の恋人は全てを忘れるほど恋に酔いしれ、天の神様より仕事を放棄した罰を受けました。神様の怒りは大変なもので、二人の間に大きな川を流し、1年に1回しか会えないようにしました。そしてその日以外は、二人は必死に働かなければいけなくなったのです。
Poladian氏による説明の素晴らしいところは、七夕の神秘的で美しい物語を、シンプルに表現しているところです。
なお、ここでは天の川を"the Milky Way"と書いています。Milky Wayは天の川の英語名ではあるのですが、これはギリシャ神話の有名な話(ヘラとヘラクレスの物語)に因んでいます。
the Milky Wayという固有名詞が持つイメージと、七夕の物語がもつ美しく切ない情景がミスマッチなため、敢えて固有名詞を使わず、単に"the heavenly river"と説明しても良いかもしれません。
七夕の由来を英語で簡単に説明するには?
日本の文化に興味がある外国人なら、七夕の由来について聞いてくるかもしれません。
しかし、由来を説明するのは、ストーリーを英訳するよりも難しいのではないでしょうか。
由来を説明するにあたっては、まず鍵となる言葉を頭に叩き込みましょう。
そこに自分の言葉を付け加えていけば、スムーズに説明できますよ^^。
由来を英語で説明するためのキーワードとは?
七夕の由来は、3本の軸によって説明できます。
2)「最初は宮中行事だった」
3)「江戸時代に一般庶民に広まった」
の3つです。
まずは、これらの鍵となる言葉を、英語で言えるようにしましょう。
→ It came from China in Nara period.
→ It was one of the Imperial Court’s events.
→ Tanabata festival was spread among the people in Edo period.
七夕の由来を英語でもう少し詳しく説明してみよう!
七夕は奈良時代に中国から伝わりました。最初は宮中行事として催され、農作物が育つ時期を知らせていました。
江戸時代になると、七夕は一般庶民に広まりました。そして現在、色とりどりの短冊に願いを書いて笹の枝にぶら下げる行事となったのです。
さいごに
七夕は日本の夏の風物詩であり、日本人的な感性で綴られた美しく切ない物語と相まって、最も情緒豊かなイベントのひとつです。
風に揺らぐ笹の葉を見ながら、または夏の星座を観察しながら、お知り合いの外国の方にも日本人の美しい感性に触れてもらってくださいね^^!
コメント