長時間かかる人間ドックにて一通りの検査を終えれば、あとは結果を待つばかり・・・。
自分の体を徹底的に調べてもらい、果たして健康なのかどうなのか?とても気になりますよね。
今回は、一般的に人間ドックの結果が分かるのはいつなのか。また、専門用語で分かりにくい検査結果をどう見たら良いかなど、人間ドックの結果に関わるアレコレを解説していきます。
人間ドックの結果はいつ来る?
多くの医療機関では当日に暫定結果の説明があります
日本人間ドック学会は、「安心して受けられる人間ドック」のポイントとして、「医師から健診結果の説明がある」「必要に応じて保険指導がある」などを挙げています。
つまり、結果を踏まえ医療関係者から直接の解説があることが、「良い人間ドック」であることのひとつの基準となるわけです。
この動きを受けて、多くの医療機関では、検査直後に医師が一通り数値や画像を確認し、検査当日に暫定的な説明と生活指導を受けられるようにしています。(後日に説明となると、二度病院へ足を運ばなければいけないため)
検査当日の暫定説明がどの程度詳細かというと、多くの場合、血液検査や身体測定から見た成人病の所見はもちろんのこと、尿検査や胃カメラの画像、CTやMRIの画像もざっと確認されます。
筆者も直近の人間ドックで、検査当日に医師から「CTの結果、肺に影がありますね。」と言われました。(経過観察中ですが、恐らく良性です)そして、その場で専門医の予約を入れることができたので、検査→結果報告→フォローアップの流れがとてもスムーズでした。
ただし、レディースクリニックやその他専門病院での人間ドックの場合、専門分野以外の検査結果を他機関で出してもらうことがあるため、当日の総合的な説明が無い場合もあります。
これは専門性を重視した結果であるため、必ずしも質の悪い人間ドックとは言えないでしょう。
結果の詳細は後日郵送がほとんど。かかる日数は医療機関により異なります
暫定結果の説明は医師がざっと見ただけなので、検査の結果を再度精査し、詳細な最終の検査結果を後日作成・送付するところがほとんどです。
暫定結果報告以外の重要な所見がなければ、書面のみが送られてきます。新たに説明すべき所見があった場合は、再度病院へ出向き、結果やフォローアップの説明を受けることになります。
最終的な検査結果が送付されるまでにかかる日数は、医療機関ごとに異なります。通常1~2週間で届きますが、血液検査や尿検査、組織検査などを外注している場合は、1カ月以上かかる場合もあります。
結果の到着が遅い気が…!結果が悪かったってこと?
検査の結果がなかなか届かないと、「どこか悪いところでもあったのだろうか…?」と心配になってしまいますよね。
しかし、結果の送付が早いか遅いかは、検査結果の良し悪しにあまり関係ありません。
検査結果の送付時期は、各医療機関の事務手続き上の都合や、専門医の数、受診者の数などによって変わりますので、あまり気にしないようにしてくださいね^^。
人間ドック 結果報告書の見方
人間ドックの結果が書面で届いても、「いまいちよく分からない…」と頭を捻ってしまう方もいるでしょう。
ここでは、特に若い女性が気になる検査をピックアップし、結果報告書の見方を解説します。
20~30代女性が気になりがちな検査の結果はどう見る?
将来的に脳や心血管疾患を発症しうる可能性を考慮した基準は以下の通りです。
収縮期血圧
(基準範囲内)129以下
(要注意) 130~159
(異常) 160以上
拡張期血圧
(基準範囲内)84以下
(要注意) 85~99
(異常) 100以上
血液の病気から、内臓の病気まで多くのことが分かります。
白血球数(基準値:3.2~8.5 10^3/マイクロリットル)
・基準値を越える場合…感染症(感冒、気管支炎、腸炎など)の可能性あり
・基準値を下回る場合…ウイルス感染症の可能性あり
赤血球(基準値:360-489)、ヘモグロビン(基準値:12.1-14.6)、ヘマトクリット(基準値:35.5-43.9)
※上記基準値は全て女性の場合。単位は10^4/マイクロリットル)
・基準値を超える場合…多血症の可能性あり
・基準値を下回る場合…貧血、鉄欠乏性貧血の可能性あり
血小板(?基準値:13.0~34.9 10^4/マイクロリットル)
・基準値を超える場合…血小板血症、鉄欠乏性貧血の可能性あり
・基準値を下回る場合…出血傾向、肝疾患の可能性あり
クレアチニンCr(女性基準値:0.70 mg/dL 以下)
・基準値を超える場合…腎臓機能にトラブルがある可能性あり
総コレステロールTC (基準値:140~199 mg/dL)
・基準値を超える場合…動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症の可能性あり
・基準値を下回る場合…栄養吸収障害、低Bリポたんぱく血症、肝硬変の可能性あり
善玉コレステロールHDL (基準値:40~119 mg/dL)
・基準値を下回る場合…糖質代謝異常、動脈硬化の可能性あり
悪玉これステロールLDL (基準値:60~119 mg/dL)
・基準値を越える場合…動脈硬化の可能性あり
中性脂肪TG (基準値:30~149 mg/dL)
・基準値を越える場合…動脈硬化の可能性あり
・基準値を下回る場合…低Bリポたんぱく血症、低栄養の可能性あり
血糖値FPG (基準値:99以下 mg/dL 以下)
・基準値を超える場合…糖尿病、膵臓がん、ホルモン異常の可能性あり
CRP (基準値:0.30 mg/dL 以下)
・基準値を越える場合…細菌感染、ウイルス感染、炎症、がんの可能性あり
5つのカテゴリーに分類され、カテゴリー3以上で何らかのフォローアップを必要とします。
・カテゴリー1:異常なし
・カテゴリー2:所見あり。ただし良性
・カテゴリー3:悪性の可能性も否定できない。超音波検査等、要再検査
・カテゴリー4:悪性の可能性大
・カテゴリー5:ほぼ乳がんと断定
採取した細胞から、悪性の組織(malignant)の検出があるかを見ます。よって数値では表されません。
・基準値:NILM
・要再検査:不適正標本・ASC-US
・異常:ASC-H、LSIL、HSIL、SCC、AGC、AIS、Adenocaricinoma 等
悪性腫瘍の際に上昇する血液中の成分をスクリーニングします。内視鏡やCTなどとは違ったアプローチで行うがん検査です。
腫瘍マーカーとそれぞれの基準値は以下の通りです。(基準値を下回っていればOKです)
・SLX(肺がん・膵がん・卵巣がん):基準値 38.0以下
・CEA(肺がん・胃がん・大腸がん・胆道がん・膵がん・乳がん):基準値 5.0以下
・AFP(肝細胞がん):基準値 10.0以下
・CA125(肺がん・膵がん・卵巣がん・乳がん):基準値 35.0以下
・CA15-3(乳がん):基準値 27.0以下
・CA19-9(胆道がん・膵がん):基準値 37.0以下
・STN(胃がん・大腸がん・膵がん・子宮頸がん・卵巣がん):基準値 45.0以下
・SCC(肺がん・扁平上皮がん・食道がん・子宮頸がん・子宮体がん):基準値 1.5以下
・CYFRA(肺がん・扁平上皮がん):基準値 3.5以下
・ProGRP(肺がん・小細胞がん):基準値 81.0未満
・抗p53抗体(食道がん・大腸がん・子宮体がん・乳がん・腫瘍関連自己抗体※):基準値 1.3以下
抗p53抗体は、悪性腫瘍の発生と非常に高い相関関係にある自己抗体であるため、同抗体の検出ががんの早期発見に繋がると期待されています。
その他の検査項目については、日本人間ドック学会のサイトから確認することができます。
まとめ
せっかく費用と時間をかけて人間ドックを受けるのですから、検査結果報告書を見て「どうせ分からないから…」と考えずに、是非積極的に自分の数値を確認してみてくださいね。
また、以前人間ドックを受けたことがあれば、前の結果と見比べて、数値に急激な変化がある項目がないか、確認してみてください。そしてもし疑問があれば、遠慮せず検査機関へ問い合わせするようにしましょう!
コメント