日に日に寒さが増してきて、もう冬はすぐ近くまでやってきた感じもします。そろそろ年末年始のことが頭に浮かぶ時期ではないでしょうか?
毎年のようにお正月には「おせち料理」を食べるわけですが、当たり前のように食べている「おせちの由来と意味」、そして「ひとつひとつの食材の意味」をご存知でしょうか?
この記事では、おせち料理の由来とその意味、また、おせち料理を長く食べるための上手な段取りなどについて詳しくお伝えしていきます。
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おせち料理の由来とそれぞれの食材が持つ意味は?
そもそも「お節」って何?
おせち料理は漢字で書くと「お節料理」となります。「お節」の「節」とは節日をさし、季節の変わり目の祝日のことを言います。これは中国から伝わった風習で、中国では奇数が重なる日に邪気を祓う行事が行われていました。
中華圏では今でも祝日を「節」と呼んでおり、「清明節」や「中秋節」など季節の節目に国を挙げて祝っています。
元日は奇数が重なる日の中でも、一年の節目として最も重要な日ということで、特別なお祝いをするようになりました。
「おせち料理」の由来は?
かつての朝廷は、節日に「節会(せちえ)」という宮中行事の宴を催していました。ここで神に供えられたり、宴で食された料理のことを「節句料理」と言い、後にお正月に出されるもののみを「お節料理(おせち料理)」と言うようになりました。江戸時代以降、庶民の暮らしにいくつかの宮中行事が広まっていき、お節料理が一般化しました。
「おせち料理」を作る意味は?
新年に新しい年神様をお招きするにあたり、お節料理は神様へのお供えものとして大晦日までに用意されました。そして年が明けると神様からのおさがりを家族皆でいただくようになり、この習慣が武家や庶民の間で広まっていきました。
昔の人は、三が日は神様が屋内にいらっしゃると考えており、その間は炊事をしない(火を使わない)物忌みの風習がありました。
そのため、日持ちするお節料理を年明け前に作っておき、三が日はそれを食べて過ごしていたのです。
おせちのそれぞれの食材や料理がもつ意味とは?
お節料理には、めでたい意味を持つ食材が使われています。それぞれの意味を知って、ぜひ夫や子供たちに話してあげましょう。
ニシンの卵である数の子。ひとはらに沢山の卵が付いていますよね。「子沢山」や「子孫繁栄」の意味があります。
イワシ
昔イワシの稚魚を肥料に使ったところ豊作となったことより、イワシは(五万米=ごまめ)と呼ばれ、豊作を祈願する食べ物となりました。田作りがお節料理として有名です。
黒豆
「真っ黒に日焼けして(健康で)まめに(真面目に)暮らす」という語呂合わせから、めでたい食べ物とされています。
ごぼう
ごぼうの地中深くしっかり根を張る様子から、家族や家業がしっかり土地に根付くことを祈願する食べ物となりました。たたきごぼうがお節料理に作られます。
くわい
最初に大きな芽が出ることから、出世を祈願する食べ物となりました。
また、昔は「くわい」と書いて「かい」とよんだことから、「快」の字にちなんで、「一年快く過ごすことができるように」という意味込められています。
紅白かまぼこ
紅白の色は昔から縁起の良い色とされてきました。また、かまぼこの半円状の形が初日の出に似ていることから、お節料理に使われてきました。
伊達巻き
巻いている様子が書物の巻物に似ていることから、「文化の発展」や「学問の成就」を願う意味があります。
栗きんとん
漢字だと「栗金団」と書きます。金の塊というところから、金運を招く食べ物とされています。
紅白なます
細長い紅白のひも状の様が紅白の水引きに似ていることから、めでたい食べ物とされています。
れんこん
れんこんは穴が開いていて先がよく見えることから、「将来の見通しが良い」という縁起を担いでいます。お節料理には酢でしめたり、煮しめにしたりします。
海老
海老の曲がった体から、「腰が曲がるまで長生きしよう」という長寿を願う食べ物となりました。
ぶり
ぶりは成長に伴って呼び名が変わる出世魚であるため、出世を願う食べ物となりました。
鯛(たい)
「めでたい」の語呂合わせから、祝いの場で食べられるようになりました。
昆布
「よろこぶ」と「子生(こぶ)」という二つの語呂合わせから、家族の幸せと子宝を願う食べ物となりました。
里芋
里芋が土の中で沢山の子芋を付ける様子から、子沢山・子孫繁栄を願う食べ物となりました。
椎茸
椎茸の笠が陣笠に似ていることから、「家族が壮健でありますように」という意味があります。
梅花にんじん
梅は花が咲くと必ず実を結ぶことから、縁起の良い食べ物とされています。
おせち料理の重箱にはどんな意味がある?
おせち料理を詰める重箱には「めでたさが重なるように」という意味が込められています。
また三が日のあいだ食べ続けるものなので、保存しやすいように、蓋がある重箱に詰めるようになったとも言われています。
重箱の正式なスタイルは?
近年は三段の重箱が一般的ですが、実は四段が正式なのです。
ご存知でしたか?
それぞれの段の詰め方をご紹介します。
黒豆、田作り、数の子、叩きごぼうなど「祝い肴」と言われるものを詰めます。
二の重
栗きんとん、伊達巻き、昆布巻き、紅白かまぼこといった比較的甘めのものが入ります。「口取り」と言います。
三の重
海老や焼き魚、最近ではローストビーフなど、「焼き物」が入ります。
与の重(漢字の「四」は縁起が悪いので使わず「与」となります)
野菜の煮しめや筑前煮などの「煮物」が入ります。
おせち料理を食べる日はいつ?日持ちはどれくらいする?
おせち料理、いつから食べ始める?
おせち料理を食べ始める日については、地域によって違いがあるようです。
なかには大晦日から食べ始める地域もあるようですが、「新しい年神様からのおさがり」と考えると、年明けてから食べ始めるのが正式と言えます。
しかし、地域ごとの風習にはそこに至る歴史や理由があるものです。あまりこだわらずに、地域のならわしに従うのが良いでしょう。
お節料理、いつまで食べる?
昔は三が日はお節料理を食べるものでしたが、最近では三が日であってもスーパーやコンビニがオープンしており、食材確保に困りません。
無理に三日間食べる必要もないでしょう。元日や二日目に食べきっても大丈夫です。
お節料理、保存方法は?日持ちはどれくらい?
保存のきく食べ物ではありますが、暖房のきいた部屋で保存してはいけません。出来れば涼しくて陽の当たらない場所で保存しましょう。
気温が高かったり、適した保存場所がなければ、冷蔵庫で保存しましょう。伊達巻きやかまぼこは傷みやすいので、いずれにしても冷蔵庫で保存しましょう。
適切に保存していれば3、4日は日持ちします。
より長持ちさせるための料理の順番
お重の中にぎっしり詰まっているお料理のなかでも、比較的傷みやすいものもあれば、長持ちするものもあります。年末お節料理を用意する際には、長持ちするものから順に作りだして、傷みやすいものは大晦日ぎりぎりに作ると、全体的に持ちがよくなります。
栗きんとん、黒豆、田作りなど
大晦日に作ったほうが良いもの
海老、ぶり、鯛、煮しめなど
まとめ
多くの主婦がおせち料理の準備を面倒に感じているのではないかと思います。手間も費用もかかりますし、子供たちはあまり喜んで食べてくれないのが現実ですよね。
しかし、それぞれに込められた意味を知れば、家族でお節料理をつつく時間がとても有意義で楽しいものへと変わるはず!
新年最初に触れる縁起物ですから、昔から伝わる由来やその意味を知った上で、家族揃っておいしくいただきたいですね^^。
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