私たちの生活に欠かせなくなった家電、冷蔵庫。
私たちの食べ物を長持ちさせるべく、毎日頑張ってくれていますよね^^。
ところで、当たり前のように使っている冷蔵庫がエアコンや洗濯機のように水漏れすることがあるって知っていましたか?
冷蔵庫からの水漏れは、床を劣化させてしまうだけでなく、マンションであれば階下の住人とのトラブルにもなりかねません。
この記事では、
- 冷蔵庫の水漏れを発見したらどこを確認すべきか
- 冷蔵庫を修理に出す場合にはどれくらいの費用と日数がかかるのか
- 冷蔵庫を水漏れさせないために気をつけるべき4項目
について解説していきます。
冷蔵庫の水漏れは、放っておいても解決しません。発見したら、素早く落ち着いて対処しましょうね!
水道の水漏れについては、以下の解説記事をご参照ください。
冷蔵庫の水漏れの原因は?床が濡れたら何をチェックすべき?
冷蔵庫下の床が濡れていたら、まず次の場所を確認してみましょう。
水漏れの状況により原因は異なります。
メーカーや修理業者に修理依頼をする際には、濡れ方や冷蔵庫の使用状況を伝えるとスムーズです。
冷蔵庫が水漏れした時のチェックポイント
- 庫内が濡れていないか。または水が流れた形跡がないか。
- 床のみが濡れているか。
- 製氷機は使用中か。
- 冷蔵庫の扉・引き出しは完全に閉まっているか。
それぞれが冷蔵庫の水漏れに関わる事柄です。上記の項目から水漏れを起こす原因が推測できます。
個々に解説する前に、まずは水漏れに深く関わる冷蔵庫の機能である『霜とり機能』について、簡単にご説明します。
冷蔵庫の霜とり機能
食品の劣化を防ぐ冷蔵庫。当然庫内は低い温度に保たれています。しかし、特に家庭用冷蔵庫は何度も開け閉めするので、湿った外気が庫内に頻繁に侵入します。
すると外気に含まれる水分が庫内で結露し、霜の原因となるのです。しかし、多くの冷蔵庫には「自動霜取り装置」が備え付けられています。自動霜取り装置には、霜を感知するセンサーがついているタイプと、稼働時間を計ってタイマーが発動するタイプがあります。
どちらのタイプも霜とりのタイミングになると、一時的にヒーターが作動し、庫内に付いた霜を溶かして水に変え、ドレンホース(排水管)を通してドレンパンに溜まっていきます。
ドレンパンに溜まった水は、コンプレッサー(圧縮機)から発する熱で蒸発します。冷蔵庫の霜取り装置は、この作業を自動的に繰り返しているわけです。
[char no=4 char=”解説”]水漏れは、この『自動霜取り装置の不具合』が絡んでいるケースが多いです。個々に原因を見ていきましょう。[/char]
自動霜取り装置の不具合と考えられるケース
庫内が濡れていたり、水が流れた形跡がある場合
ドレンホースが汚れやカビで詰まって水が流れなくなり、庫内に逆流した可能性があります。
庫内にあふれ出た水が、冷蔵庫の外側を伝って床まで流れ落ちるのです。また、溶かした水の排水口には逆流を防ぐ弁があるのですが、何らかの理由で開かなくなると、溶けた水を排水出ずに、外側へあふれてしまうこともあります。
自動霜取り装置自体の故障も考えられるでしょう。急に食品に霜が降りるようになったら要注意です。霜取りはしないのにヒーターで温めれば、当然庫内は濡れ、場合によっては外側へ水があふれます。
床のみが濡れている場合
庫内をチェックしても濡れた形跡がない場合は、ドレンパンからの水漏れが考えられます。
ドレンパンは冷蔵庫底面や背面に設置されていることがほとんどですが、最後まできちんとセットされていないと、ドレンホースから流れ出る水分が床へこぼれてしまうことがあります。
また、ドレンパンの破損個所から水漏れするケース、ドレンパンが汚れておりホコリや汚れの混ざった水がうまく蒸発できないケースも考えられます。
製氷機が原因のケース
自動霜取り装置以外の原因だと、製氷機からの水漏れも考えられます。もし製氷機を使用中でしたら、給水タンクが製氷皿への給水パイプに最後まで差し込まれているか確認してください。パイプとタンクとの間に隙間があると、そこから水が漏れます。
パイプ自体が詰まっている可能性もあります。パイプ内で水が凍って経路が狭くなったり、カビが発生して詰まったりすると、送水不良で水漏れを起こす可能性があります。
最近の冷蔵庫は、送水不良が発生するとエラー表示が出て、機能を一時停止するものもあります。送水不良でなければ、製氷皿が破損している可能性があります。
扉や引き出しが完全に閉まっていないケース
扉・引き出しの縁にはゴムパッキンがついていて、庫内を密閉状態に保ちます。
しかし、経年劣化や何らかの衝撃があると、破れたり、弾力が無くなったりするのです。
ゴムパッキンが破損や劣化していると、外気が庫内に継続的に侵入します。庫内で冷やされ、霜となった空気中の水分は、通常自動霜取り機能で排出されるのですが、大量の水が発生してしまい、ドレンパンからあふれ出るかもれません。
また、ドレンホースに不具合が併発している場合、より多くの水が漏れることになります。
庫内に詰め込みすぎで、扉が閉まらないこともあります。
引き出し式の場合、スライドして閉めた際、一番上の食材が引き出しの後ろに滑り落ちてしまい、引き出し背面に当たって閉まりきらないことがあります。
また、食材が挟まっていて隙間ができてしまうこともあります。
ひどい冷蔵庫の水漏れ、修理するなら費用と日数はどれくらい?
水漏れの修理については、プロに依頼したほうが良いケースが多くあります。費用と日数はどれくらいかかるでしょうか。
冷蔵庫の水漏れをメーカー修理でお願いした場合
購入時に保証書を受け取っていると思います。保証期間内であれば無料で修理を受けることができるでしょう。
もし出張費がかかったとしても、3000円程度のことがほとんどです。
保証期間外であれば、出張費、技術料のほか、パーツを交換した場合は部品代がかかります。金額はメーカーによって異なりますので、修理を依頼する際に確認しましょう。
参考までに、日立と東芝の場合の修理費用を見てみましょう。
日立の冷蔵庫修理にかかる金額
水漏れ修理代(出張料・技術料・部品料) 11,000円~15,000円
ゴムパッキン交換 5,000円~9,000円
(※2015年時点)
東芝の冷蔵庫修理にかかる金額
水漏れ修理代(出張料・技術料・部品料) 6,000円~19,000円
ゴムパッキン交換 11,000円~20,000円
(※2015年時点)
もしパーツ交換が必要なければ、ほとんどの場合は1日で修理が終わります。工場へ運ぶことなく、その場で修理が済んでしまうでしょう。
しかし、パーツの交換をする場合は、パーツの取り寄せにかかる日数によって、修理完了までの日数は変わります。
また、一般的にメーカーが部品を保有している年数は9年と言われています。
もし冷蔵庫を購入して10年以上経過している場合は、メーカーであっても修理ができないことがあります。
家電修理専門業者に冷蔵庫の水漏れをお願いした場合は?
家電修理を専門としている業者もあります。お付き合いがある業者があれば、そちらにお願いいしても良いでしょう。
ただし、パーツ交換が必要な場合は、いずれにしてもメーカーに注文することになります。
ほとんどの業者が簡単な無料見積もりを実施していますので、メーカーの見積もりと比較しても良いかもしれません。
冷蔵庫の水漏れ対策で気をつけるべき4項目!
冷蔵庫からの水漏れについては、素人には修理できないケースが多くあります。
凍結が原因と明らかに分かる場合は、冷蔵庫の中身を全部出して、3日ほど冷蔵庫の電源を落とせば解決します。
ドレンパンの汚れも自分で確認できるでしょう。
しかし、水漏れの原因で最も多いドレンホースの不具合は、ホースが冷蔵庫の精密部分に埋め込まれているため、自分での解決は困難なケースがほとんどです。
修理を呼ぶとなると、費用もかかるし面倒ですよね。定期的に水漏れ防止対策を施し、水漏れを未然に防ぎましょう。
水漏れ防止対策をきちんとしておけば、冷蔵庫の長持ちにもつながりますよ!
ドレンパンの掃除
購入時に同包されているメーカーの説明書に、ドレンパンの場所が記載されています。説明書に従って、定期的にドレンパンを掃除しましょう。
ドレンパンが背面にある場合は、冷蔵庫を手前に動かさなければ取り出せません。
ほとんどの冷蔵庫は底の部分にキャスターが付いていますから、移動は簡単です。
ドレンパンを掃除するついでに、冷蔵庫背面の掃除も忘れずにしておきましょう。
背面にホコリがたまっていると、いずれドレンパンに侵入し、水漏れの原因を作ってしまいます。
自動製氷機のホース洗浄
最近の冷蔵庫は、自動製氷機の洗浄機能がついているものが多くあります。
定期的に洗浄を行いましょう。
給水タンクだけではなく、給水パイプ、製氷皿がそれぞれ取り外せるタイプもあります。
製氷機専用の洗剤も市販されています。
水と混ぜてタンクに入れ、製氷機を作動させるだけです。
自動製氷機はカビが発生しやすい場所です。こまめに洗浄して清潔に保ちましょう。
詰め込みすぎない
食べ物の詰め込みすぎは、庫内の温度を上昇させ、結露や霜の原因を作ります。メーカー説明書に記載されている量を守りましょう。
引っ越し前にすべき対策
引っ越しで冷蔵庫を移動させる際は、当然電源を落としますよね。
しかし、冷蔵庫の稼働を止めると、自動霜取り装置も停止してしまいます。
そしてまだ蒸発しきっていない水は、庫内に取り残されてしまいます。
新たな水漏れの原因となりますので、冷蔵庫の電源を止めた後は、必ず水抜きをしましょう。
ドレンパンを取り出して水を捨てるか、メーカーによっては水抜き口が付いているものもあります。
引っ越し時以外の対策は、定期的に行うべきです。特に梅雨前には必要箇所をきれいにして、水漏れが起きやすい梅雨から夏に備えましょう。
まとめ
冷蔵庫の水漏れは、意外に多く発生するトラブルです。
特に10年以上長く使っている冷蔵庫は、次第に冷却能力が低下してきて、結露や霜ができやすくなります。
一度修理しても、また同じトラブルが発生するかもしれません。
その場合は、思い切って買い替えるのも一つの方法です。
年々冷蔵庫の性能とエネルギー効率は向上しています。
省エネ冷蔵庫に買い替えたら、電気代が減ったなんてこともあります。
もし「冷蔵庫の冷えが悪くなった」「最近食品が濡れていたり、(冷凍庫以外で)凍ることが多くなった」と思ったら、買い替えも選択肢のひとつに入れてみましょう。
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